講演会:ストーリーとしての競争戦略
都内で行われた一橋大学の楠木建教授の講演会に参加しました。お題はベストセラーとなったビジネス書と同じ、『ストーリーとしての競争戦略』です。
ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)
- 作者: 楠木建
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2010/04/23
- メディア: 単行本
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私は、以前この書を読んで感動し、このコンセプトを使って「ストーリーとしての競争戦略から当室の中期計画を考える」という内容で資料を作って、当時の部下に講義したことがあり、「優れた戦略は思わず人に話したくなるような面白いストーリーにある」という斬新な切り口、内容に惚れ込んでいます。
当夜は140人を超える人たちが集まり、この気鋭の経営学者の鋭くもユーモアたっぷりの講演内容に、笑いと納得感が溢れました。以下、頭に残ったキーワードを列挙します。
- 戦略とは、綜合のアート、センスであり、商売を全体を丸ごと動かす人のみが作れるもの。
- その対局にある分析とは、分けることであり、どんどん分けていくと経営企画等の部分の担当者が増えるだけで、あげくは代表取締役担当者が出来上がる。
- SWOT分析等の分析フレームワークでは戦略は生まれない。経営者が戦略を構想したあと、それを検証するために使うもの。
- 戦略は、こうなるだろう、ではなく、こうしよう、という未来に対する意思である。
- 数字よりも筋、見える化よりも話せる化。
- 経営を担い、戦略を構想できる人かどうかは、10分間の演説で分かる。
代表取締役担当者が溢れている某社幹部に、聞かせたかったですが、愚痴を言っても始まりません。自分でしっかりとビジネスの全体を考え続けて、周囲の皆さんを巻き込んで前に進むこと。この重要性を改めて学びました。