anezakimanの部長日記

メーカー部長、中小企業診断士、通訳案内士(英語)、放送大学大学院修士全科生の日々奮闘記

診断士的プロジェクトワーク

先日、取引先のある流通さん(仮にK社さんとします)にお邪魔して、販売に携わっている10名の方たちと、どうやったらもっと売れるかを討議をしました。その際、使ったのが、過去何回か、中小企業診断士として中小企業さんを訪問して、ソリューションを検討した以下のようなプロセスです。

まず全員にポストイットを配って、売れない理由(こうすれば売れるも含む)をとにかく何でも良いので1枚に1件、書いてもらいます。100枚前後集まった紙を、市場・顧客、競合、自社といういわゆる3C(Customer, Competitor, Company)に分けて壁に貼り、それぞれについて皆で内容を共有し、問題点・課題点を議論します。クリティカルで本質的な課題を抽出し、それに対する重要な打ち手を考えることが目的です。

結局時間の制約もあり、すべての課題と打ち手をカバーできませんでしたが、こうしたプロセスには、いくつかの利点があると改めて感じました。まず、全員が自分の意見を出せることによる参加意識です。K社の営業パーソンは若手が主体で、私みたいなオヤジが仕切った会議だと、どうしても発言しにくくなります。ポストイットに書くだけなら、その壁も少なくなります。出て来た様々なレベルの問題点を、皆で確認しあいながら課題の共通認識を図ることも重要です。よく言われることですが、本質的で適切な課題さえ抽出できれば、その解決はさほど困難ではありません。そもそも課題が分からなかったり、不適切だったりするために、成果の出ない活動は山ほどあります。まさに「イシューは何か」ですね。

この活動は、まだ始まったばかりで、これから本格化させていきます。この会議後、参加した全員で近くの居酒屋で決起集会をしました。このメンバーの一体感も、これから大事にしていきます。他人事と思わずにいかに当事者意識を醸成させていくか、これもプロジェクトの成否に大きく影響します。企業内診断士として、これからも使える視点、手法を活用していきます。