anezakimanの部長日記

メーカー部長、中小企業診断士、通訳案内士(英語)、放送大学大学院修士全科生の日々奮闘記

読書:好きなようにしてください

昨日の続き、楠木先生「スキスキ3部作」の著作です。

好きなようにしてください―――たった一つの「仕事」の原則
 

これまでの有名人、著名人とのインタビュー集から一転して、ニュースキュレーション・サービス(NewsPicks)での一般読者からの相談に答える「楠木教授のキャリア相談」をまとめたものです。20歳代中心とした学生や若手ビジネスマンからのキャリア、人生に対する質問に対して、答えはいつも「好きなようにしてください」(笑)です。その理由、背景の説明のなかに、楠木先生の絶妙軽妙にして本質的なコメント、コンセプトが満載で、唸らされます。私も本当に、さらに、つくづく好きなようにしたいと思いました。

  • 世の中にある環境のほとんどは「行ってこいでチャラ」。
  • 環境決定論の無意味さ。人間が長いこと生きていく以上、まだ誰にとっても未来が不確実である以上、僕は環境決定的な考え方はあまりにスタティック(静的)だと思います。人間はいろんなことを考えつつ、ふらふらと紆余曲折を経ながら長いこと生きていくのに、事前にあれこれ決めすぎるのは、人間の本性を無視した考え方です。
  • 結局ビジネスというのは、B to BだろうがB to Cだろうが、人間が人間に対してやっていること。ビジネスで一番大切なものを一つだけ挙げろと言われれば、私は「人間に対する洞察」だと堪えます。
  • 本性主義は、人と人の世の中の変わらない部分に目を向けます。変わっていく世の中で、変わらないものを見抜く。そこに洞察の本領があります。変わらないものが思考に軸足を与えてくれます。軸足を持たずに、変化を追いかけているだけだと目が回って、結局有効なアクションをとれなくなってしまいます。
  • 人生で本当に憂うべきは、マクロにおいては戦争、ミクロにおいては疾病、この二つだけ。逆に言えば、世の中が平和で体がそこそこ健康であれば、それでもうノープロブレム、無問題。
  • 人間は生モノです。無理に期限を設定するのは、かえってうまくいかない。自分のインナーボイスに耳を傾けろ。自分の中の「機が熟した感」が大切。
  • 時の流れに身をまかせ、川を流れるように生きていく。世の中、いろいろな人がいろいろな目的や考えを持って生きている。そうそう自分の思い通りにならないと思ったほうがいい。思い通りにいくことなど例外です。
  • 川の流れの中で、その時に自分が思い定めた自分の持ち場で真剣に力を尽くす。これが仕事をするということであり、世界経営に参加するということ
  • 「具体と抽象の往復運動」を脳内でしつこくやってみること、これこそが、職業の選択のみならずあらゆる仕事にとって決定的に重要な能力。
  • いい時も悪い時もぶれない「知的体幹の強さ」。それはやはり広い意味での教養がもたらす
  • あらゆる仕事能力の中で最も強力なのは、広い意味での「営業力」、つまり実際にお客さんに価値を認めさせてお金を支払わせるところまで持っていく力。
  • 営業力はレジュメだけでは測れない総合芸術的な能力、仕事における総合格闘技
  • ビジネスとはあっさり言って「商売」、仕事ができる人というのは「稼げる人」。「稼ぐ」とは、①売上げが上がる、 ②コストが下がる、③もしくは①と②の両方、の三つしかない。
  • 本来の商売や経営には「担当」はありません。商売丸ごとをすべて動かして成果を出す。それがプロのビジネスパーソンに求められる仕事。稼ぐためには職能を超えて、他人の土俵に土足で乗り込むことがしばしば必要となる。
  • 「お詫びのスキルがひたすら向上する客室乗務員問題」、これでは商売の戦力にはなりえません。
  • あらゆることに手を突っ込み、あらゆる可能性をとらえて、売上げを上げるかッコストを下げるか、もしくはその両方を一挙にやるしかありません。稼ぐ力、それは丸ごと全体を扱う総合芸術です。
  • うまくいかない時は、うどん食って布団かぶって寝ちゃうに限ります
  • 自分なりの「スカッとするルーティーン」を用意しておく
  • 「業界最高水準」とか「顧客満足度ナンバーワン」「世界一」という類いのかけ声は、ビジネスの目標ではありません。自分の勝手な願望を表明しているだけ。それを表明したとたんに、それが「何でないか」がはっきりとわかる。ここに優れたコンセプトとか目標、ビジョンの特徴があります。
  • 視野を広げるには基本的には二つの方向。一つは時間軸での視野の拡張(時間軸を長く持つ、歴史を知る)。もう一つが空間軸での拡張(住む場所を変える)。
  • 「怒るな、悲しめ原則」。これをひとたび自家薬籠中のものにすると、あらあら不思議、怒るどころか、威張る人と接するのが次第に面白くなってきます。楽しくなってくると言っても過言ではない。「怒るな、面白がれ」が大人の流儀。
  • 結婚に関する名言二つ。「結婚は華麗なる誤解で始まり、悲惨なる理解で終わる」「結婚に需要なことは三つしかない。第一に我慢、第二に忍耐、第三に耐え忍ぶ心」
  • 折りに触れて子どもに「自分の幸せとは何か」を自分の頭で考える機会を与える。親にできることはそれぐらいしかありません。
  • 子どもは独立した人格であり、親とは違った人生を歩んでいくのです。
  • 失敗や問題は早く小さくはっきりと起こすことに越したことはない。子どもは生き物です。機械ではありません。自分が思い描いて設計した通りに育つなんてことは、もう絶対にありません。
  • 子どもというのは自己正当化大魔王なので、何だかんだと手前勝手な理屈をつけて反省しないものです。
  • お子さんと話す時には、まず徹底的に向こうに好きなだけ好きなことをしゃべらせましょう。まずはお子さんにできるだけ話をさせることが大切です。
  • 思い込みとその修正を何回も繰り返していく中で、だんだんと仕事と自分の適性についての理解が深まり、自分の土俵を正しくとらえるようになります。適性は忘れたことにやってくる、のです。
  • 仕事の自己定義は自分の「芸風」の形成の基盤。その人に固有の「芸風」としか言いようがないものが、キャリアを通じて最大にして最強のよりどころになる
  • 「釜本監督症候群」。放っておいても何とかしてくれる優秀な人材が集まる組織ほど、上に立つ人のマネジメント力が育たないという成り行きです。
  • 人に話したくてたまらない話をする。戦略の原点にして頂点です。
  • どんな分野でも、その道のプロが一番大切に懐に抱えているのは、誰もが使えるスキルやツールではなく、フォームなのです。蛇の道を長いこと這いずりまわっているうちに、「こういうのが自分のフォームだな・・・」ということが見えてくる。それを後生大事に育てていくのがプロというもの。
  • 自分が面白くて重要でそうしても人に伝えたい、わかってもらいたいということを書く(話す)ということです。もっと言うと、自分でそう思えることしか書かないということです。
  • 「どうしてもわかってもらいたいことをつくり出す力」、これが世に言う「文章力」の正体だと思います。