anezakimanの部長日記

メーカー部長、中小企業診断士、通訳案内士(英語)、放送大学大学院修士全科生の日々奮闘記

講演会:イノベーション研究、これからの20年

仕事を終えた後、久しぶりに社外の講演会に行ってきました。下記学術雑誌のスタディセッションということで、神保町の一橋講堂で主要な執筆者の講演が行われました。 

一橋ビジネスレビュー 2017年SPR.64巻4号

一橋ビジネスレビュー 2017年SPR.64巻4号

 

 講演者は米倉誠一郎、青島矢一、延岡健太郎の各教授、そして今回の目玉は野中郁次郎名誉教授が参加されて最新のコンセプト、知的機動力の講演をされ、さらに一橋大学が誇る左記イノベーション経営学者4人によるディスカッションでした。

司会の方もこれだけの盛況は初めてと言っていましたが、知識創造経営の世界第一人者の野中先生ももう82歳。ご本人も One leg in a coffin(片足を棺桶に突っ込んでいる) と笑いを誘っていましたが、確かにこれだけの豪華メンバーが揃っての講演、ディスカッションは最後かもしれず(失礼)、200人規模の人が集まりました。

個々の先生の講演内容は、基本上記雑誌での論文の紹介でしたが、興味深かったのが「今後のイノベーションのために日本の企業、特に大企業には期待できるのか、できないのか」といったテーマでの4人のディスカッションでした。

叱咤激励の意味も込めて「ここ20年で日本経済は低迷、その責任は大企業にあり、もう期待できない、やる気のある若手は大企業にいても意味がない、シリコンバレーに行くしかない」と悲観論を展開する米倉先生。

一方、「本来日本人が持つ組織的な強さ、特にミドルマネジャーの経験の質量は大きく、そう悲観するものではない、ただし危機感の薄れは気になる」と野中先生、

「人材や資金(余剰資金が大企業には360兆円もあると)などのリソースは依然として大企業に偏在しており引き続きイノベーションポテンシャルは大、ただし大企業ほど収益性、コンプライアンス、説明責任、経営の合理性などが求められ、それはイノベーション創造と対極の組織であり、確かに難しいがそれでも成功したイノベーションではリーダーが社内政治も含めてやりたいことを粘り強くやってきている」と青島先生。

そして延岡先生は、SEDA(Science,Engineering, Design, Art)という下図の4軸のモデルを提示、

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「これまではどちらかといえば左側偏重、これからは右側も含めた4軸を統合できるリーダーが日本の企業には必要であるが、ソニーのwenaというスマートウォッチを開発した若手のように、こうした人材が大企業にも出てきている」と説いており、この3氏は、どちらかと言えば期待派、楽観派でした。といった4人の方々の丁々発止、ボケと突っ込みのやりとりがとてもユーモラスながら本質的だと感じました。

皆さんの合意的結論を私なりに解釈すると、「計画偏重、分析重視の経営のあり方を変え、やりたいことをやるという個人の主観的な思いが一番最初に来るべき。経営者はそこに対する評価、支援をし、ミドルマネジャーも諦めずに情熱を持って実行しながら考え、失敗しても数打ちゃ当たるくらいの気持ちで取り組めば何とかなる」、といった前向きなメッセージだったと思います。好きなことをやるのが一番とは、同じ大学の楠木建先生も提唱されています。

イノベーションの最新コンセプト紹介による知的好奇心が刺激されたと同時に、自分自身が今やっていることを応援していただいているみたいで、爽快感が残るとても良い講演会とディカッションでした。

さて、明日から西部・南部戦線に出張です。私なりのイノベーション創造に邁進したいと思います。

ゼミ発表しました

本日、放送大学修士ゼミで発表しました。場所はいつもの茗荷谷の文京学習センターです。東京教育大学(現筑波大学)の流れを汲む場所に立地していて、立派な門構えです。

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今年から修士課程に参加された4名の新メンバー含む13名でのゼミの議論となりました。1年前の自分が思い出され、まったくもって光陰矢の如しであります。

私の発表は事前に発表の練習をしたものの、少し時間オーバーとなってしまいました。いつも思うですが、仕事での会議やプレゼンとは勝手が違い、なかなか思い通りのスムーズが発表ができません。

議論は対象地域を絞ったほうが良いのではという提言、また大学者のフレームワークに新たな切り口を構築するという野望に激励をいただきました。またワンステップ進めたと感じました。あとはひたすら書くしかないですね、頑張りたいと思います。

Deep Workに没頭した黄金週間でした

黄金週間も明日を残して終わります。当初の目標通りに過ごせています。

5月に入ってから昨日までの5日間、日中の4時間前後は机にしがみついて修士論文の執筆に注力しました。参考とする文献やデータを読み込んで整理し、論文の構成に従ってとにかくワードに打ち込み、何度も見直して書き直す。関連図表をいったんパワーポイントで整理して、文脈を考えてそれらをワードに埋め込む。こうして修論の前半部分(仮説、先行研究、方法論)の第一稿がまがりなりにも書き上がりました。

明日はゼミの月例報告会があり、そこで発表することにしています。初めての論文本文の報告であり、ここ何日間集中して出したアウトプットを、元気にシャープに説明してきたいと思います。

こうして振り返ってみると、まさに Deep Work 的な作業はある程度の時間、集中して世界を作って取り組まないとなかなか進まないことを実感しています。普段は仕事やら雑事やらで頭がショートタームでの処理系になっていて、じっくり物事に取り組んである程度の書き物にする頭になっていません。今回は仕事のメールも夜の数分程度チェックするだけ、それ以外は机に向かっていなくとも、修論のことを頻繁に考えていました。

特に効果的だったのは、愛犬ワトソンとの朝夕の山道散歩含む散策でした。毎日合計3時間前後はワトソンと歩いていました。この間、いろいろなアイディアが浮かんで考察が深まりました。まさに Deep Work で提唱していた自然のなかで過ごす、歩く、という効用の偉大さを再確認しました。

家の近くに八景島シーパラダイスがあり、そこにはこの連休中2回散策に行きました(歩くだけならただ!)。シーパラのサーフコースターから上がる嬌声にワトソンが驚いていました。

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 この時期の名物、海の公園の潮干狩りをのんびりと見つめるワトソンでした。

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 毎年この時期、たくさんの鯉のぼりが飾られる金沢自然公園にも散歩に行きました。

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金沢自然公園の近くの住宅街で、何年か振りに蛇を見ました。初めて見る爬虫類に近づきつつ、ビビるワトソンでした。

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そのほかは、家族と散策したり、外食したり、家でDVD観たりしてゆったりまったりしていました。久しぶりの黄金週間を文字通り輝く時間で過ごせて、とても満足しています。

故郷でリラックスしてきました

金土日と北の故郷に帰省してきました。東京駅でこんな形の新幹線に乗り、

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東京駅で奮発して買った1,500円のカニ飯駅弁を車中で食べ、休暇気分を高揚させました。

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田園風景が広がる故郷は田植え直前で、あちらこちらの田んぼに水が張られ(しろかきと言います)、田植え作業に向けて準備万端です。

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ちなみに稲の苗はビニールハウスで育て、今はこんな感じでいつでも出動可能です。

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今でもジジババ主体でなんとかやりくりしている兼業農家の我が実家は、今年は5月3〜5日が田植えの予定で、私は今回は田植えの事前作業を少し手伝っただけでしたが、久しぶりの肉体労働に身体がきしみました。。

夜は実家で両親と一晩、高校時代の友人2人と一晩一緒し、美味しい地元の日本酒と新鮮な肴を満喫しました。朝、通った小中学校など懐かしの場所中心に2時間ほど散歩しましたが、食べ過ぎ飲み過ぎ状態で身体は重いままです。

黄金週間の前半のイベントがこうして楽しくつつがなく満了いたしました。 

黄金週間が始まりました

例年この時期は東部戦線へのイベント的出張が恒例化していましたが、今年は勘弁してもらって久しぶりに日本で黄金週間を過ごせることになりました。

しかも本日は会社の創立記念日でお休み、5月1日はメーデー休日、そして2日も年休奨励日に従って年休を取るため、本日から10連休となり、本当に大型連休となりました。

ただし大きな計画はなく、新たなプロジェクトの立ち上げ含めて忙しかった4月の業務の疲れを癒すことを主眼に、あとはとにかく修士論文に一定の目処をたてるべく、参考文献の整理、そして修論の前半部分の執筆に勤しみたいと思っています。

お出かけという意味では、最初の3日間で田舎に帰省し、新鮮な山海の産物を食し、銘酒をたしなみ、そして高校時代の友人と語り合うことを予定しています。あとは愛犬ワトソンとの朝夕の散歩くらいで、それ以外は家でおとなしくしているつもりです。

今月はちょっと疲れました。Deep Work と定義したいくつかの案件が一斉に動き出し、西南戦線出張直後にちょっと体調を崩し、宴会も続きました。プライベートでもちょっとしたごたごたがあり、心身ともにすり減らしましたね。

というわけで、本日から久しぶりの日本での黄金週間を、ゆったり、まったり、過ごしたいと思います。

読書:生産性、自分の時間を取り戻そう

仕事やアウトプットの質や効率を上げる旅が続いています。今回読んだのは、『採用基準』と同じ著者の本で『生産性』、さらに社会派ブロガーとして有名なちきりんさんの『自分の時間を取り戻そう』の2冊です。  

生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの

生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの

 

 

前者は『採用基準』でのリーダーシップと並んで、もう一つ、欧米と比べて日本が欠けている意識・行動としての生産性にフォーカスし、生産性向上のためのアプローチ、イノベーションとの関係、具体的な研修方法、資料作成や会議の進め方など、ビジネス寄りの優れて実践的な内容でした。

後者は高生産シフト社会がこれから加速するとして、仕事のみならず人生全般で生産性を向上するという意識を持つ必要性が力説されています。

2冊とも、とても腑に落ちる内容で、自分自身の仕事とプライベートで応用できる考え方、実践方法が満載でした。その背景には生産性を向上させるという意識を持つことによって、人生が変わりうるという著者の強い思いが共通しているように思いました。

それもそのはず、上記2つの本の著者の伊賀泰代さんとちきりんさんは同一人物であることを最近知りました。しかもこのタレンテッドな女性、私と同年代、同窓でありました。不思議な縁を感じる次第です。これらの本も参考にして、会社のなかで生産性向上のためのプロジェクトの立ち上げを推進中であります。

春の到来です

先週末、今週末とあいにくの雨が続いています。先週末はワトソンを連れての2度目の旅行で房総南端地方に行きましたが、雨と春冷えでとても寒く、車で行ってホテルに泊まって帰ってきただけでした。

それでも春は着実に到来しており、家の近くの桜をワトソンと散歩の途中で見入っています。

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3月末には東京では桜の開花宣言が出されましたが、平日に外出の途中で寄った千鳥ヶ淵は三部咲き、日比谷公園はほぼ満開でした。

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 日の出時間の早まりと春の陽気とともに、私の散歩活動も活発となり、3月の歩数は5ヶ月振りに12千歩以上となりました。春に向かってこれからもガンガン歩いていきたいと思います。

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明日から西部戦線に出張です。今年度最初の出張で2017年度の好スタートを切りたいと思います。